堕天使の憂鬱

生まれる前の子どもは

空の上から

誰のところに行こうかと

母になる人をみつけ

その人のもとに行くのだという

美しいおとぎばなし。

善なる人々はそれを

ほんとうのことだと信じているという。

母としたら自分の子どもが

空のかなたからこの母を見つけて

母のもとに来てくれたのだとしたら

胸が痛くなるほどにうれしく

せつなくなるほどにいとおしかろう。

      *

それでは、

幼いわが子を叩いて踏みつけ、

煮えた湯をかけ、放置するような

母とは何か?

善なる人々は言う。

子どもはどんな母でも愛している

いたらない母をたちなおらせたいと

思ってやってくる

それを母が知らないだけだと。

この美しい物語が

ほんとうのことだというなら

それは涙するほどに感動的かもしれない。

    *

ところで、

いったいわたしは誰か

母に虐待された覚えはないが

母のもとに生まれてこようと

選んだ覚えもない。

わたしはただ見ていた

空のかなたから

風になびく川原の草や花を

無数の石の上を流れる水を

わたしは魅せられた

この星の自然の息吹に

そのとたん

わたしは落ちた。

天から落ちて人の胎に入った

そして、人から生まれ

わたしは堕ちた。

これは何かの間違い

母の胎から生まれたわたしは

何かの間違い。

切り離されてここにいる

もといたところから

切り離されて

ここにいる

憂鬱
















関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

Re: Sado Joさん、ご無沙汰しました。


おの暑さも、ルシフェルの息吹ですかねえ。

No title

産まれた子供を天使だとか、愛の結晶だとか思うのがそもそもの勘違いです。
その子は、最初っから親の快楽の代償としてこの世に生を受けた堕天使なのです。
なので、この世は不条理に満ちていて当然です ~魔王ルシフェル~(笑)
プロフィール

majikanakajima

Author:majikanakajima
やっとみつけた本当のわたし。自分探しはもうおしまい。ずっとまえからここにいる。わたしの名はメランコリー。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

QRコード
QR