春は何処に。

朝はもうとうに始まっているのに

まだ昨夜の匂いのする人いきれが

いくぶん疲れの入り混じった欲望とともに

この街の隅々に吹き溜まっている。

昨日の夢は色あせた桜の花びらのように

生暖かい春の雨に濡れながら

職場に急ぐ人々の足元に溶けてゆく。

ざらついた目の奥に

後悔という名の過去の残像がこびりつき

胃の腑を重く沈ませる。

開店したばかりの花屋のスタンドには

不自然なほどの青をにじませた

切り花が一束挿してある。

それはまるで葬列の花輪からこぼれ落ちた

人造花のようにどこか不吉で

不穏な予感をかきたてる。

密かに葬られたのは誰なのか。

真冬の外套を羽織ったまま

湿った高架下にくずおれていた

ホームレスか。

それともわたしか。

春をたたえる言葉をなくしたまま

この街で朽ちてゆくわたしなのか。

足早に行きかう人の顔が白く濁り

街にアノニマスが充満する。

cherryblossoms.jpg

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

Re: こんにちわ^^

sado joさん、こんにちは。

晴れ晴れとしたGWになりました。笛や太鼓の音が聞こえます。

し・か・し・・・

私も、すえた街の、自分自身もアノニマスな感じが好きです。

こんにちわ^^

自分は、退廃的で、すえった臭いのする街って、案外人間的で好きです^^
むしろ、金紗銀紗に飾った街は、どこか作った偽物みたいで落ち着かない><
アノニマスの仮面の下には何が隠されてるんでしょうね?
プロフィール

majikanakajima

Author:majikanakajima
やっとみつけた本当のわたし。自分探しはもうおしまい。ずっとまえからここにいる。わたしの名はメランコリー。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

QRコード
QR